FDM式3Dプリンターで使用されている一般的なフィラメント、
「ABS」と「PLA」のプリント面や材質に着目して比較してみました。

プリント時の違い

<ABS>
・プリント時の温度設定が比較的に高い
(ノズル温度:270度 / プラットフォーム温度:90度)
・熱収縮が激しく反りあがりやすいため予熱やプリント中の保温は必須
・長時間プリントの造形、板状の薄い造形、細長い造形、定着面積の少ない造形は反りあがってしまうため不向き

材質の違い

<PLA>
・プリント時の温度設定が比較的に低い
(ノズル温度:210度 / プラットフォーム温度:50度)
・熱収縮が少ないため作成したデータの寸法とほぼ変わりなく造形可能、プリント中の反りあがりの心配もほとんどない
・プリント前の予熱や保温が必要なく、プリント時の温度設定も低いため、手早くプリントすることが可能

<ABS>
・PLAに比べ柔軟性・耐久性・耐衝撃性・曲げ疲労性・引張強度に優れている
・切削や塗装等の加工がしやすい
・日光に弱く、紫外線で強度が劣化する
・有機溶剤には弱いが酸やアルカリには強い

<PLA>
・ジャガイモやトウモロコシ等の
デンプンに含まれている乳酸を原料に生成しているため環境に優しい
・耐熱性が低いため、高温に弱い
・圧力に抵抗する硬度はあるが加工には不向き
・曲げ・引っ張り強度は低いため壊れやすい

ABSとは?
アクリロニトリル(Acrylonitrile)、ブタジエン(Butadiene)、スチレン(Styrene)共重合合成樹脂の総称
価格的にもPLAの方が安く、手軽に使用も出来て最適なイメージがあるが、
加工面や耐久性等材質的にはABSの方が優れているので、幅広いジャンルでABSを使用されているのも納得ができる。
プリント中の反りあがりを対処出来るのであればABSがおすすめ。

PLAとは?
ポリ乳酸(Polylactic Acid、Polylactide)
造形物の寸法の安定性や手早く印刷可能なスピード、
プリント中の失敗率も低いためフィラメントの消費量も少ないので軽く作成した3Dデータの試作品作りなどにはPLAの方が最適だと考えられます。

また、同じスタンダードなフィラメントでも、PP3DPストア内では、2社のスタンダードな(ABS/PLA)フィラメントを販売しております。

<PP3DP純正フィラメント(ABS+/PLA)>の特徴
・サンステラおすすめフィラメントより造形後のラフト・サポート処理が簡単
・サンステラおすすめフィラメントよりコストがかかる
・『UP Studio』のデフォルト温度設定がPP3DP純正フィラメント元に作成されている為、プリント時の安定性がとても良い

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<サンステラおすすめフィラメント(ABS/PLA)>の特徴
・PP3DP純正フィラメントよりカラーバリエーションが豊富
・PP3DP純正フィラメントより造形後のラフト・サポート処理が困難
・PP3DP純正フィラメントより価格が安い

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プリントのしやすさ、プリント後の造形物の性能・サポート処理、カラーバリエーションなど、
どのフィラメントが最適なのかお悩みの方は、今回の記事を参考にしていただければ幸いです。

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