どうも。PP3DPスタッフ「O(オー)」です。
前回の続きです。現在時刻は14:15です。(げっそり)
(次世代3Dプリンターとは・・)
これは私ごとき(笑)が語っていい事ではございませんが、一応私見を述べさせていただきます。ツッコミはいりません。
結論から言わせて頂ければ・・「変わらない」と考えます。
なんじゃそりゃ?という点はごもっともですが前回説明した「3Dプリンターの基幹技術(概念)」は現在も変わらず、アプローチの方法が違うためです。現在の「基幹技術(概念)」に変わる革命的「基幹技術(概念)」が出なければ3Dプリンターに変化は無いでしょう。
ただアプローチの方法が「多極化」していく事、基幹技術に対するサポート技術により「簡素化」していくは十二分に考えられます。
長い前フリですが、よくあるご要望は以下のとおりです。
・色々な材料は使えないのか?
・もっと精度よくできないのか?
・もっと簡単にできないのか?
これらのご意見から3Dプリンターの未来が見えてきます。要望によって機械は進化していくのですから、大きな潮流はこの流れになることでしょう。
「色々な材料は使えないのか?」で多いご意見は「金属」「ゴム」「高温に耐えられる」素材です。え?そんな事教えていいのかって? いいんです。(笑)
既に一部では「金属」(金属粉を混ぜた樹脂)「ゴム」(柔軟性のある素材。ゴムなのかは不明だが特性はゴム)「高温に耐えられる」(ポリカーボネイト等の素材。混ぜ物の比率で使いやすさと耐候性がどうなるのか・・)は流通しています。詳しくはググってね。
但し、「ノズルから出る」のと「造形が出来る」点が問題になってきます。各社統一基準がないのが現状ですから、溶融温度もバラバラ、硬度や弾力性も様々なため、ある程度絞った「統一素材基準」が今後必要でしょう。また「この素材だけ」というワンオフ機(これは特に医療現場で)も出てくる事でしょう。(現にコンクリで家が作れる3Dプリンターや、ケーキが作れる機体も存在するくらいですから・・)
「もっと精度よくできないのか?」この点は非常に答えづらいのですが、「ウン十万のプリンターとウン千万のプリンターを同列に並べていいのか?」という点をあえて言わせていただきます。価値観や基礎知識が異なる場合、「精度」という点の「基準」をどこまですりあわせられるかが大きな問題ですが、おそらく今後の技術(というより経験)の蓄積により低価格プリンターも造形精度は多少向上するかと思います。しかし3Dプリンターの造形方法が何種類もあり、それぞれに一長一短あるのが現状です。更に言えばFDM方式に限らず高額機(ウン百万クラス)は一部企業の独占する「特許」等がふんだんに投入されています。現状では「価格」と「精度」は比例しているのが現状です。
かといって道具は「使いよう」です。3Dプリンターは道具という認識がもっと広がってもらいたいものです。
最期に「もっと簡単にできないのか?」という点ですが、考えても見てください。「複写機」が発売当初だった頃・・・私は知りません(笑)ようやく「ボタン一つで綺麗にコピー」できる状態(未だにできない人も・・)になりましたが、それでも「全く初めて」の方には複雑怪奇な機械だと思います。以前はジアゾ式(青焼き)もあったりなど、現在の3Dプリンター業界の状態に似ていませんか?
上記が「ハード面」の事とすると、「ソフト面」はもっと大変です。大前提として「3DCAD、3DCGソフト」が使用できないと「3Dプリンター」を持つ意味はありません。(これは初めての方には大きなハードルです)更に言えば「スライサー」と呼ばれる「3Dプリンター用へのデータ変換ソフト」の設定が細かすぎるのも悩みです。
「モノクロとカラー」「紙の大きさと向き」だけで四苦八苦している(笑)のに3Dプリンターでは思いつくだけでも「材料」「ノズル温度」「テーブル温度」「印刷スピード」「テーブルの傾き調整(これはハード面か)」「造形環境の温度(ABSは特に)」「サポートの付け方」などなど、キリがありません。
現在の3Dプリンター市場が今ひとつ弾けないのは、この「ソフト面」が大きくハードルを上げているためだと、個人的に強く思うのです。
長い長い前フリでしたが(笑)この3点をまとめる事は無理だと考えます。余程革新的な技術や、人の価値観が大転換しない限り無理でしょう。(キッパリ)
故に今後3Dプリンターは・・
「特殊な素材が使える」=用途の高い素材に「絞られた」複合高額機の誕生(もしくは超高級ワンオフ機の誕生)
「精度よく使える」=「特許の使用期限切れ」を境に、値崩れした「特許技術」の逐次投入によるゆるやかな向上
「簡単に使える」=市場拡大による「規格統一」と「認知度」向上による簡素化、及びソフト簡易化(もしくはサポートソフトの登場)による流通量拡大、ならびに低価格化
わかりやすくまとめると「建物つくる3Dプリンターとケーキつくる3Dプリンターは実用化できるが、両方できるプリンターは発売しないでしょ?」ということです(笑)
(3Dプリンターの今後)
3Dプリンターは現状「一般化」と「特殊化」の狭間にある状態です。
当たり前の事を言っているようですが世の中には「浸透する技術」と「浸透しない技術」があります。「浸透する技術」は「一般化」極端に言えば「大衆性」を持った物になり、市場も広がってゆくでしょう(言わばテレビのような物です)「浸透しない技術」は「特殊性」を持った物になり、使う方は限られてきます。また高級化します。
3Dプリンターを扱っている身としては「浸透する技術」になってもらいたいものですが、そのためには様々なサポート技術の登場が不可欠になっていく事でしょう。
日本だけでなく世界規模で見てみれば、3Dプリンターと言えど扱いは「道具」です。ノコギリやカナヅチと同じ扱いで、無くても問題ない「道具」です。この道具はある程度「一般化」はするでしょうが、いわば夜中の通販で売れるくらいの「金属板も切れる!女性でも簡単!電動丸ノコ」だったり「釘いらず!誰でも簡単!ネイルガン」くらいになれば・・・
日本人はこういう事が得意(笑)なので、そのうち出てくることを期待して・・・
ではまた!良いお年を!